産直茶屋"かん味処"vol.10に参加しました

CSの本質と要諦

今回はズバリ誰しも共通項として捉える必要がある講座「CSの本質と要諦」
どんなものを育てようと作ろうと、どんなサービスを提供しようと、生産者であろうと消費者であろうと、今回のテーマは知り得て実践が必要な課題であることはビジネスをしていく上で必ずといっていいほど付きまとい、そして言葉の先走りではなくその中身に隠された本質と要諦を知る機会は、僕自身今までの経験からそうないし、そのチャンスを手にいれるかどうかは、めぐり合いそのものであると感じてます。
正直、いくら頭で捉えたところで実践に至れるか?といったら、本質に近づけば近づくほど容易ではないし、とはいえ、やらなければ本質から遠ざかるから、学びは継続的かつ進化していく必要があると思うのです。

では、まずCSって何の略から始まります。
僕たちが前職時代に学んだ限りでは・・・

CSは「カスタマーサティスファクション(customer satisfaction)」→顧客満足(顧客がサービスを受けたり、商品を利用したりしたときにどれくらい満足したのか)であると。
その上でのCXは「カスタマーエクスペリエンス(customer experience)」→顧客体験価値(物質的な価値に加えて、ユーザーに対してどのような「体験」を提供できるのか)であると。
さらにはCSの上をいく、ディズニーなどから学ぶCDは「カスタマーディライト(customer delghit)」→顧客感動(顧客の期待水準を満たす「CS」をさらに発展させ、顧客の期待以上の製品や品質、サービス提供を行うことで 顧客に予想外の「感動」や「歓び」を与える)であると。

言葉では知っているんです。実際、満足度調査をしたこともあるし、それを分析しどのような体験をさらにアップグレードして提供できるのか、さらには顧客感動してもらえるためには期待値そのものは何か?を知る。
実際それを実践しているディズニーも、そして例として挙げれば宿泊業であれば「帝国ホテル」や「リッツカールトン」といったホテルに顧客側の立場で体験しに行ったことも。(プライベート中とはいえ、その体験そのものがどうしても仕事目線で捉えてしまい・・・痛い思いをしたことも(笑))

ただ結果わかったのは、とかくそこに携わるそれぞれが顧客にどうしたら喜んでもらえるか?を真剣に考え実践していること、さらにはそこで働く従業員の満足度が高いこと、その相乗効果が顧客に与えていること、そして今回の講座でもあったように「要求される水準や質も業界やサービスでそれぞれ」だということなのです。
この水準は自社では容易ではないと諦めていたら、当然届くわけでもなく、・・・
しかし、どんな業界でもそこに近づくように努力する必要はあるし、とはいえ、それが顧客との関係性においてしんどい気持ちになっては本末転倒であるし、非常に悩ましいところではあります。
ただ、あらためて思うのは、自分たちが持つ顧客との関係を考えたうえで、自分たちが取り組む領域(ニーズ、ウオンツ・出来る、出来ない・ターゲット、ポジショニングetc)において「心地よさ」という点で、すごく合致した今回の講座の導入ポイントでした。
何故ならば、プロダクト側であろうとマーケット側であろうと「お互い様」で配慮しあう関係だからこそ、継続して信頼して中長期的に取組が出来ると思うからなのです。
生産者側も消費者側も「心地よさ」が最終的に行き着くところになるのではと・・・

特定商取引に関する法律改正

さて、講座に入る前に、「特定商取引に関する法改正」について情報共有の場となりました。
簡単にいえば「送りつけ商法」なる詐欺被害に対しての法改正の内容でした。今までは「モノ」を想定して「生鮮品」を想定していなかったことによる法改正です。
今までは売買契約に基づかないで送付された商品は14日間の保管からの処分だったものが、直ちに可能になるといった内容です。つまり所有権主張が出来ず返還請求権が消滅するということ。

この法改正においてどういったリスクが考えられるのか?
もちろん消費者を守る法律であることにはなっていますが、一方で消費者による詐欺も予想されるリスクが発生するということなのです。
本人確認と決済のリスクヘッジは個人農家に負いきれるものではなく、実在する人物がなりすました架空人物からの注文となると契約そのものは不成立となり・・・結果泣き寝入りになりかねないと。

電子決済での履歴の重要性や取引停止は抑止力が強いことからも、少なくともプラットフォームを介する介さない、直販についても、本人確認や事前決済は必須であると。
法令は常に進化しているし、日頃から守る意識がなければ後で痛い目にあう典型的な事例であることをこの時点で改めて思いました。自己解釈はしないと。

CSの目的と課題

なぜCS部門があるのか

今ではCS「カスタマーサクセス(customer success)」という言葉も出ているんですね。
サブスクリプション型のビジネスモデルで継続的にシステムを利活用してもらいながらお客様の業務改善を支援するという概念と役職が誕生したみたいです。へぇ~

ならば、CSは何のために存在しているのか?なのです。
お客様のために存在しているのか?はたまた、目指すのは「満足」なのか?それとも「成功」なのか?
取引関係、業務関係、顧客関係いろんな関係性が出てくるCSというポジション。でも、これって本当は誰のためにするものなのだろうと・・・
それを明確にするために次で学びます。

CSの果たす役割と責任

ではCSっているほうがいいのか、そもそもいないほうがいいのか?
双方で甘えたり、頼ったり、振ってしまうということも・・・
確かにそれはあるかもですね。僕たち自身、自社において、甘えられたり、頼られたり、振られたりすることは、弊園のコンセプトでもあるように全てを受けいれることから、可能な限り断らないようにしています。
しかし、それは弊園が掲げる使命感や目標・利益を達成させるためであり、またよりよい取引と満足を得たいからなのです。
こちらも見返りを求めるというほどのことではないにしても、相手もしかり自分たちも含めて自分さえよければいいという概念では継続したものにはならないと感じています。

つまり事例として「目標と利益の達成」と「よりよい取引と満足」が本当に合致しているのか?はたまた相違はしていないか?を考えるよい機会だと思いました。

ならばCS部門が果たす役割は一体何なのか?それを3つに分けることから始めるということなのです。「相違」と「誤解」は分けて考えること。

仮に・・・
★「相違」がある場合
問題を把握し、課題の解決を伝える役割→正しく、早い伝令

★「誤解」がある場合
気持ちを受け止め、共感を見出す役割→聞く姿勢であったり、言語化する能力

★「(問題の)断片」がある場合
感情を抜きにして事実を積み上げ仮説を設定する役割→想像と表現するチカラ

現実的にCSは当事者ではないことがほとんどであり、しかし当事者がよりよい課題や問題解決のための橋渡し役をすること!!これがCSであると。
ならば橋渡し役だけでいいのかというとそうではなく、もっとCSとしての本質を知らないとその仕事に対する魅力や未来はいつまでたっても得られないということなのだそうです。

成長としてのCS

受け身のCS・攻めのCS

では「受け身のCS」と「攻めのCS」はどう違うのか?を学びます。
「受け身のCS」は守りの姿勢であり、どちらかというと、事が起きて初めて動くといった感じなのかもしれません。
★問い合わせがあって初めて答える
★そこのある問題を受け止めて、担当者につなぐ
★クレームを聞き、落ち着いてもらう
★足りないと思う説明を補う
★相手にとってわかりにくかった答えを教える
★不快や不満を受け止めるetc・・・

確かにお客様からの問題や意見・感想からよりよい商品やサービスのヒントは得られるとはいえ、毎日の仕事としてCSとして働く人間は、その仕事に魅力や未来を感じることが出来るか?なのです。正直、どちらかというとネガティブな要素に包まれている環境って辛いかもしれません。
ただ、捉え方として決して「受け身のCS」がダメなわけではなく、日々起こる様々な事象から、問題や改善を抽出する「抽象化」のスキルが必要なんだよということなのだそうです。

一方で「攻めのCS」はどうかというと、事象が起こってからの対処でなく、起こる前を調べ何が起きるかを想像し、未来を先取りすることであると。
★問い合わせを減らすための説明と表現を考える
★問題が起こる前に担当につなぐ
★クレームの後ろにある課題を想像する
★足りない説明は事前に起こさせないようにする
★わかりにくい答えをわかりやすい質問に変える(「伝える」ことと「伝わる」ことは違う認識をもつ)
★不快や不満を前もって聞きに行くetc・・・

つまり、問題や意見や感想を先回りしてよりよい商品やサービスの準備をすることであり、課題や問題を誰よりも早く見つけることで、結果それはお客様と社内や担当がよりよく喜ばれることになるということなのです。
まさに火の立たないところに煙は立たないし、火事を起こさないためには種火をつくらない、その予防と事前察知と似たようなことかもしれません。

そういった意味で最も学べるのは「医療現場」や「介護現場」であり、ここはミスが命に直結するからこそ、クリティカルパスやリスク回避に向けた改善を積み重ねているからと感じています。命に直結する直結しないは別にして、トライ&エラーしながらも、同じまたは似たようなことは二度と起こさないぐらいの覚悟はどの業種でも必要だと思いました。
受け身のCSから攻めのCSになるためにも、ある程度の余裕が必要で、自衛隊は初めに休憩する時間を決めて(交代を前提で決めている→全員投下をしない)、時間軸だけでなく人員も分けて考えているらしいです。

課題抽出力をあげる

課題や問題を誰よりも早く見つけることが容易にできるかというとそうではなく、やはり訓練の積み重ねが必要なのです。
そのスキルを得るために必要な3つの「課題を抽出するチカラ」について学びます。

★数字・データに基づくこと"情報を記録することはハッピーである"という考え
→結構苦手な人多いかもしれません。僕自身も苦手な分野でした。ただ記録や数字の先にある役立つ情報に変わった時、初めて続けられるようになりました。
記録や日記が苦しいうちは改善や改良は進まないからこそ、どう役立つか?を先に決めることって重要であることは体験を通してスッと理解できました。

★「同じ」と「違う」について敏感になる
見た目が同じと数字が同じは、縮尺や見方次第で変わる、これは視点や視野・視座の考え方に似ているなと。一つの事象をあらゆる角度から見ると全く違う景色になるのと同じ?のような。
たくさんのデータがありすぎると考えるのも面倒くさくなるから、AとBで同じが違うかといったように2つで比較することで人間の思考と集中が始まる!!は合点がいったように思いました。
生産者であれば栽培方法のその事例なのかもと。「慣行」「減農薬」「有機」「自然」他、お客様側視点で見るとわけわからないぐらい沢山ある中で、違いを見せようと思っても、単なる生産者側のエゴにしか映らないのではないか?と感じたことを思い出します。
僕たちは「自然栽培」をしてはいるものの、あえて強めて売り文句にしないようにしています。受け手にとっても要は「肥料」や「農薬」を使っているか、使っていないか、「雑草」を管理しているか、していないか、その上で品質はいいか、悪いか、美味しいか、美味しくないか、といったAとBといった2つで比較することで、品目や品種選びをします。
品目・品種選びでもそれが得意なもの、不得手なものと言ったように。「同じ」と「違う」に敏感になるというのは本当に思考と集中のスタートラインと思いました。

★「正しさ」より「言い方」で人は動く
"ルール・決まり・システム・慣例"はこれまでであり、これからを保証するものではない→グサッときましたね、結局「正しさ」を言ったところで、相手が捉えるその「正しさ」にも違いは生じるのですから・・・そりゃそうです(笑)
正論を突き詰めることよりも、相手が理解しやすい、納得する、聞き入れやすい表現を磨くこと。ここでもやっぱり「伝える」ことと「伝わる」ことには違いがあり、その事象について「知る」「分かる」「理解する」といった目線の違いもあるからこそ、共感の第一歩なんだと。これまた学んだマネジメントコーチングと似ているな・・・「傾聴」「共感」「承認」「自己発見への質問」と。

CSが目指すもの

売り手と買い手

「欲しいものが、欲しい時に、欲しい量が、欲しい価格で欲しい場所で買える」いわゆる「マーケティング5適(適時・適品・適量・適所・適価)」を目指すことだと思いました。
前職時代のオフライン店舗で顧客獲得のために意識して取り組んでいたことの一つです。
オフラインでは「5適」、オンラインではさらに2つ追加(適所→適サービス、適提案、適接点)して、デジタル7適と呼ばれているみたいです。
これを叶えるために「欠品はしていないか」「探しにくくないか、分かりにくくないか」「いつ届くのか、いつ注文成立すのかわからない」「注文からお届けまでが遅い」「状態が悪い、破損、欠損」は妨げになりかねません。こういったことが結果問い合わせやメール、電話というものになり・・・
だからこそ、業務における円滑なフローが描けているか、日頃から改善の繰り返しをしているか、満足していただくためには「やるべきこと」は沢山ありますね・・・(;^ω^)

直販やECであれば・・・
★タッチポイント→「ウェブ」「アプリ」「カタログ」「イベント」
★平時と有事のフローとキャパシティ→「検索」「注文」「決済」「発送」・「返品」「問い合わせ」「払い戻し」
★ロジスティクス→「在庫」「梱包」「配送」「品質」
★レビューとレピュテーション→「評価」「評判」「感想」「共有」
これもクリティカルパスの一つで、フロー毎にどういったリスクとどういったチェックがあることで、よりよい状態に出来るか、オペレーションにも通じるかもなと感じました。

生産者と消費者

生産者に期待することは根幹となるものがあってこそ!!かん味処の講座を受ける前と受けた後、さらにその根底は強まっています。やはり「商品力」、生産者にとってみれば「農産物」そのものなのだと。その「農産物」があって初めて付随することが出てくると。

一方で消費者に期待されることも同時に発生することをお客様側もはき違えてはいけないと。選ぶ以上選ばれることはお互いに存在することなんですね。
例えば、よりよいお客であるために正しい情報を伝えているか、決済に難がないか、準備された決済や支払手段で支払ができるかが根底にあり、そこに付随することがレビューや感想といったフィードバックなのだと。この関係性が構築できることが、いわゆる「常連生産者・常連顧客」の最低条件なのだと。

ならぱこの状況でCSはいつ、どこで、どのように介入するか?を事前に察知、対処することかもしれませんね。

都市と地方はかき混ぜない

現行の経済システムが維持されている限り、都市と地方にはそれぞれの役割があると僕自身も思っています。
なぜこんなにも地方から都市へ人口が流出するのだろうと?

自分事として考えたら、至ってシンプルで、自分が進学する際を思い返しても、やっぱり都会に出てみたいということはあったし、時代は違えど若者にとって「教育」にしても、例え都市部から戻ってきたとしても「既得権益」「既存・先人」のチカラ関係がある以上、地方から未来や希望を感じ得ないと思ったこともあるからです。
また同様にUIターンや移住といった地方創生的な政策がある中でも、上記と同じく「変化」は嫌われ、「お前のために」という名ばかりの「介入」、「地域のため」という自己犠牲を前提とした上で成り立っていること、つまりその土地の強者がコントロールしやすいためのルール、強者しか生き残れないルールはやっぱり存在しているのです。

何かを変えようと思うなら、間違いなく強烈な反発や反対、より戻しは起きます。だからこそ、相当の覚悟がなければ安易な地方への移住やUIターンはおすすめできないし、仮に体験や移住するにしても、外部がどうこう押し付けることはしないほうがいいのです。決めるのは当事者なのだから。
ただどちらにせよ、受け入れる側も移住者側の意識も、双方がお互いを配慮する心をもつこと、そして見直しをしないといけないことは間違いないと思います。中途半端は人生を狂わせます・・・

今回の講座で共通項として感じたのは、どの立場に立ったとしても必ずそこには人間関係があり、食材・お金・情報さまざまな資源を役割分担の「お互い様」の配慮がない限りベストは尽くせないということなのかもしれないなと思いました。

CSの本質や要諦を学んで、今までのかん味処の意図する本質となる根底があると改めて感じましたし、次回のキャッチアップ&総復習講座で再確認できる楽しみがまたできました。
今回も沢山の学びや気づき、キッカケをいただきありがとうございました。