産直茶屋"かん味処"vol.9に参加しました

差別化戦略と対策

野菜や果物に限らず「商品」となるものを販売していく以上、必ずといって同じカテゴリーや同じ品目、そして同じターゲット層が被るといった競合は存在してくる中で、
どうやって自分の商品を選んでもらえるようになるのか?どんな競争優位や戦略を立てておくことが必要なのか?
産地や価格だけではあっという間に万策尽きてしまうその「差」は何か?を学んでいくことが出来る講座として今回も参加させていただきました。

最初にオリンピック大会が始まるにあたり、物流や交通はどうなるのか?また、このコロナ禍の影響により物流状況はどう変化したのか?をデータをもとに学びます。
2019年コロナ前と比較し明らかに増加傾向であることは間違いなく、中でもフリマオークションなどのポスト投函可能な小さな荷物の増加率が顕著で、特に取り扱いサイズが現行よりわずか0.5㎝ながらも3㎝以内に拡大された「ネコポス」が飛躍的であることがわかります。
一方オフィス街の荷物が減ったことでBtoB関連は大幅に減少し、その分BtoCの物流が増えていることもわかり、また、外出自粛要請などにより再配達は低下傾向だったものが、緊急事態宣言解除やまん延防止に切り替わるタイミングから現在まで徐々に上昇していることも見えてきます。
コロナ禍による影響は業種や商品、地域によって差はあるものの、ここから今後どうなるのか?を予測するのも必要であることを学びました。

次に百貨店事業の売上確報をもとに分析したところ・・・顕著に分かるのは「富裕層の消費」がコロナ以前程度まで戻ってきているということ。
全館休業やフロア休業の影響に百貨店業界も指をくわえて何もしていないわけではなく、展開アイテムを徐々に拡大し巣ごもり需要やロイヤリティの高い顧客に支えられたことで回復してきている。ここから学ぶポイントも見えてくるんですよ!!と・・・
その一つの重点戦略として「"個客とつながり"戦略」があり、方向性も明確かつ取り組み内容も公開されました。

★"マス"マーケティングから"パーソナル"マーケティング
★全ての個客と"つながる"仕組みの設計
★個客の"ロイヤリティが高まる制度"の再設計
★個客ニーズに応える個人外商改革

2020年時代はやはり「あなただから買う」になってきていると感じますね。

競合と競争

誰が脅威なのか

いよいよ今回の講座の本題に入ります。
まずは自分たちにとって脅かす存在となるものは何か?ではその「脅威」にも実は2パターンあり、時間軸で考えることだそうです。
脅威って全てに傷つくように捉えられるように思うけれど、「今」についての脅威と「これから」の脅威とに区分けして、そこに対処するやり方は無数にあるんだということを知ることから始めるということなのだそうです。

場内と場外の戦い

脅威も「今」と「これから」に分けられるように、その脅威は自分が届く場所「場内」のことなのか、または届かない場所「場外」のことなのか、そしてその対処を自分たちが対処「できる」のか、対処「出来ない」のか、ここでもマトリクスにより見える化して整理することが出来ます。
農家ではあるあるネタの天候「猛暑になる、雨が降る、台風が来る」といった脅威もこれで区分けすることで自分たちがどうするのかが見えてきたり(笑)

ここで早速実習です。あなたにとって今感じる脅威は何ですか?
色々な課題があるので、仕事とプライベートに分けて考えてみても面白いなぁと思いつつ、とかく仕事の課題はたくさんあるし・・・さて何が脅威何だろう?
僕たちの場合、今回は「健康」をテーマにしてみました。農業に限らず身体ば資本だし、お互い大病にかかった経験をしているからこそ根底のところをおざなりにはしたくないよね!?と。
病気しないために自分たちが出来ること、出来ないこと、自分たちが出来なくても誰かに依頼したら出来ること、全く持って歯が立たないことを書いてみました。

差がつく施策を考える

ABテストと優位性

何かを選択する際に2択にされると、比較が簡単でどちらかを判断しやすい傾向があること、これをABテストといい、優位性を図るうえで繰り返すことで改善の積み上げと速度が一段と変わってくることを学びます。

例えば、ある写真を2枚並べて、どちらだと買いますか?そこから得られる情報は何?
SNS映え感あって美味しそうに見えてバズるかもしれないけど、選択肢としては物足らないとか、映えてはいないけど商品イメージとしてはありだとか・・・
量目表記についても同じで、kg表記だったりg表記だったりと。
あ!!そうか!!この理屈はスーパーでよく見るあれなんだと。100g100円セールなのか、10g10円セールなのか、実は同じだけどインパクトは違ったり(笑)

ふむふむ、商品をどう伝えたりどう見せたりするかのABテストはやってみる価値はありそうです。

テストマーケティングのやり方

ではそのことを販売する場所に合わせ、テストマーケティングするやり方を学びます。
手順としては・・・

①「調べたいこと」をまず決める(CAPDの中のCに該当)
→例:一番売れ筋の商品の分量を決めたい

➁比較検討の「選択肢」を準備する
→価格は同じでも多い⇔少ないの比較
→価格に少し差をつけながら多い⇔少ないの比較
→少量×個数 個数で価格調整してみる

③期間と範囲を定める
→失敗が許される相手に
→話が聞きやすい相手に
→比較対象の属性が異なる相手に
→全体の縮小版
→全ての対象
上から順に対象を広げつつ、修正しやすい道すじで影響最小限を狙う

④最後にその結果を検証してみる
見るポイントは・・・
★「いい」と「選ぶ」は違うことを知る
★「払える」と「払う」は違うことを知る
★「よかった」と「またよかった」は違うことを知る
★「言う相手」より「聞けた相手」を大事にする

量目設定と価格設定にテストマーケティング活用してみることは試験的にやってみようと思います。実際オフライン上の量目や価格と、オンライン上の量目や価格とは何かが違う感じはずっとしてました。
一番最後の「意見を言う人」より、こちらからアクションを起こし「意見を聞けた人」を大事に!!というのは凄く納得で、自分から言いたい人はバイアスがかかっているんだよと。

やっぱりこれって実際流通側に在籍してときやってはいたんだよなぁ~と・・・でも今なぜ中々できていないんだろう?
販売するってホント容易じゃないこと実感してます(;^ω^)
でもこれからの農家は、質を上げる技術のノウハウも必要だし、販売のノウハウも必要になってくるから生き残るにはとことん厳しい時代です。

差別化戦略の要諦

価格変更と値上げ

とかく、食品価格の値上げは取り上げられるも、なぜか生鮮品については価格高騰家計圧迫というニュースに時折嫌気が出ることも・・・
原材料や燃料費、人件費は高騰しているのに、なぜか生鮮品は価格維持を求められる矛盾。
一方で豊作になったり、今回のコロナ禍で影響して売れなくなったから値下げしよう!!という空気感もどうなんだろうと。
値下げって誰でも出来る最も簡単な施策だと思っているし、逆に自社商品の価値を下げてしまうリスクだってあると思っています。
一度下げてしまったものはそう簡単と値上げって容易じゃないことを過去何度なく体験しているから余計にそう思うのです。

だからこそ、どの業種でも値上げする!!という空気感をつくらないと、どこかに負担がかかっていくわけで、結果企業の利益は落ち込み、強いては自分たちのサラリーダウンにもつながりかねないと思っています。

じゃあ、単純に価格変更や値上げをすればよいか?というとそうではなく、必ず納得する理由を明確にするステップが重要なんだということを今回の講座で学びました。
★分析→なぜ今この価格なのか?
★背景→変える事情は何か?
★理由→変える理由は誰に由来するものなのか?
★影響→変えることの影響は何か?
★表現→どのような言い方で伝えるか?
★時期→いつ変更するのがよいか?
★浸透→どうやって理解を図るか?
★評価→変えたことによる効果と利益は?

確かに・・・大手の値上げなどを見てみると、ちゃんと上記のところをきっちりやっていると感じます。ここの差は生鮮品と大きく差があると思いました。

販売促進と広告の違い

流通業界に所属していた時は、どちらかというと、販売促進や広告といったことをやっていた時期があります。
オフラインのリアル店舗だからこそ、よく売れるように顧客動線を分析して一丁目一番地に最も売れる、売りたいものを陳列していました。でもやりすぎると買いづらさが表面化され、結果ごちゃごちゃした売場になり・・・
広く知ってもらうことでチラシによる訴求をするも、その商品が本当に商品力があるのか?なければいくらチラシを出したとしても費用対効果は上がらなかったり・・・

で、農家になってずっと教えをいただいている方から、とかく「PR」をせよ!!と。てっきり「販売促進」や「広告」のことと間違った認識をしていた時期もありました。
でもその違いに気づけたことで、確かに時間や労力はかかりましたが、そのおかげで継続した価値観を創り出すことができ、またそれを継続発信することをやめなかったことで、
今、農家でありながらも、いや農家であるからこそ、確約ではないにしてもたくさんのお客様から賛同いただけているのはそれが理由なのかもしれません。
そのうえでここでもCX(再現性のある体験価値の創出)を!!と聞いた瞬間、ビックリです(笑)

まさに「モノ消費」→「コト消費」→「トキ消費」→「ヒト消費」がここにつまっているのかなぁと感じながら学びました。

顧客体験の差

どうしたら幸せな消費やサービスの提供が出来るのか?
ヒトってどうしても正しいことを主張してしまったり、解決しようと奔走したりするけれど、とかく人間関係においては正しさよりも解決よりも、結果よりよい関係性をつくったほうがいいし、そのほうが継続かつどちらも喜ぶことになると。
ならばどちらを選択したらよいか?ここでも2択の問いで投げかけられます。

つまり、問われているのは姿勢であり、「謙虚」「正直」「誠実」にふるまうことなのかもしれません。

事実と感情と切り分けるのと同じように、出来ること、出来ないことを分けて、向き合うことの大切さを今回も学びました。

その他

他にも国の一般会計の税収推移から、今や所得税収を消費税税収が超えたことであったり、農産物をネットで購入する消費者の動機解明論文であったりと様々な情報や学びがありました。

いよいよ次回は「CSの本質と要諦」がテーマで、販売先がオンラインであろうとオンラインであろうと、どこであったとしても販売する商品のその先はお客様であることは間違いなく、
顧客満足や顧客感動は農家とて同じことをやらなければならない時代、ただいかにそれが心地よい領域で取り組めるかを学べるみたいなので、楽しみです!!